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2023年03月20日 | ワハハ日記

☘ ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル ♪

 東京は桜の開花発表が数日前にありました。季節は確実に春に向かっています。

 桜の名所は数々ありますが、当院近辺であれば、「稲荷山公園」も挙げられるのではないでしょうか?しかし、その稲荷山公園の桜は60年と言われる寿命をすでに超えているのに、何の対処もされていないとのこと。このままでは美しい森のような公園の桜の木はどんどん伐採されてしまうかも知れません。

 ところで、「稲荷山公園」の歴史を皆さんはご存知でしょうか?稲荷山公園は戦後、アメリカ空軍の「ジョンソン基地」跡地に出来た公園で「ハイドパーク」という名称で呼ばれていました。そして公園周辺には数多くの米軍人居住用の住宅「ハウス」が建てられ、米軍撤退後の「ハウス」は賃貸住宅として、日本人に開放されました。家賃が安く、広いアメリカ式の住宅ということで、1960年代末から70年代初めにかけて、当時の若者が数多く移住。その中には細野晴臣、小坂忠といったミュージシャンやイラストレーターなど、様々なアーティストが含まれ、彼らがお互いに交流を深め、刺激し合い、サブカルチャーの一大コミューンを形成していたのです。しかし、当時の地元住民は「進駐軍の家に住み着いた得体の知れない若者」として彼らをよそ者扱い、近づくことはありませんでした。そのため、広く知られることなく、「ハウス」は文字通り朽ち果ててしまいました。(かく言う私もこのような歴史を知ったのはほんの10年程前のことです。)

 そして今年、この稲荷山公園で当時のコミューンの雰囲気を取り戻すべく、野外音楽フェスが開催されます。このフェスは当時をただ懐かしむのではなく、当時の若者と現代の若者が音楽を共通言語として新たなコミューンを創り出していこうというものです。かつてのコミューンは若者と地元住民が隔離され消失していってしまいましたが、このフェスでは老若男女、全ての人に開かれたピースフルなイベントになることでしょう。

 さらにこのフェスの目的としてフェスの収益金を稲荷山公園の樹木の管理に充てていきたいとのこと。そもそも先に述べたように、稲荷山公園は日本独自の文化や自然ではないと思われる方もいるかも知れません。しかし、はるか昔から、外部から流入したものを取り込んで元からあるものと融合し、新たな文化や自然が形成、定着していくものなのではないでしょうか?

 新緑の美しい季節に地元で開催される野外音楽フェス。有名な大型フェスとは一味違う心温まる体験が出来ることに今から期待がふくらみます。

                             (歯科衛生士 藤野)