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2025年11月10日 | 医院からのお知らせ

TIME誌 (アジア版) CEO HORIZON Special Report from global kigyo に掲載されました

TIME誌 (アジア版) CEO HORIZON Special Report from global kigyo に掲載していただきました。
TIME誌(アジア版)は、世界的な影響力を持つ英文ニュースメディアで、発行部数は370万部、デジタル版の読者は1,380万人にのぼります。アジア太平洋地域(APAC)の25カ国で展開され、広く読まれています。
以下に全文を掲載しておりますので、ぜひご一読ください。

本文(翻訳)

来春、当院は開院30周年を迎えます。開業当時、長女が生まれたばかりでした。その頃、妻がこう言いました。「妊婦さんや小さなお子様連れのお母さんが、心からくつろげる歯科医院って、本当に少ないんだよね」 この一言が、当院の理念の礎となりました。

親も子も安心して通える歯科医院を目指したのです。居心地の良い空間づくりに注力し、待合室には全体の3分の1の広さを確保。子どもたちがリラックスできるよう配慮しました。

元コンビニの店舗を借りていたため、正面ガラスにはアーティストに依頼し、カラフルなアニメ風の壁画を描いてもらいました。このアートは瞬く間に地域のランドマークとなりました。

当院は全年齢対象の設計でしたが、多くの人々が小児歯科専門と誤解しました。結果として、子供連れの親御さんが続々と訪れるようになり、これは後に大きな恵みとなる展開でした。口コミは自然に広がりました。一人の子供が治療を受けると、母親がしばしば年上の兄弟を連れてくるようになりました。親御さんは子供たちが恐怖や涙なく優しく治療される姿を見て、やがて家族全員——母親、父親、そして最終的には祖父母までもが訪れるようになったのです。

私は常に、子どもに無理に治療を押し付けることを拒んできました。決して拘束したり、治療を急いだりしません。歯科治療がトラウマになるべきではないのです。時には一人の子どもに最大3時間もかけ、完全にその子のペースに合わせて治療することもあります。保護者の方々はよく「あなたは決して無理強いせず、いつも子どもの気持ちに寄り添ってくれるから」と信頼を寄せてくださいます。

時が経つにつれ、そうした子供たちの多くは成長し、自らの家族を築き、今では自分の子供を当院に連れてきてくれます。その光景を見るたびに、治療中に恐怖心を植え付けたり、子供の自尊心を傷つけたりしないことがいかに重要かを改めて思い知らされます。

ある母親が、お子さんが1年間の治療を終えた後に手紙をくれました。「以前は、子どもは何にも集中できませんでした。学習障害ではないかと心配していました。でもこの経験——1年間も歯科治療を続けたことで——子どもはすっかり変わりました」と書かれていました。その子は今、自立した自信に満ちた大人になっています。

私は心から信じています。歯科治療のような単純な行為さえも、人の人生を変える力を持つと。大人に心から大切にされた記憶は、子どもにとって一生の糧となるのです。この信念が私の治療方針を形作りました——大人のルールを押し付けるのではなく、一人ひとりの子どものペースと世界観を尊重する姿勢を貫くことです。

現在

長年にわたり、一人ひとりに忍耐強く真摯に向き合うことが、真に意味のあるケアの核心であると学びました。この信念は子どもたちだけにとどまらず、障がいのある患者さんへの接し方や、訪問診療による歯科ケアの提供方法にも活かされています。

広島の大学病院で研修医をしていた頃、同校は障がいのある患者さん向けの新しい診療ユニットを開設しました。家族たちは広島だけでなく、鳥取や島根といった近隣県からも訪れました。公共交通機関を利用できないため、車で丸一日かけて来る人も少なくありませんでした。その姿を見て、障害のある患者さんを心から理解し、ケアできる歯科医が各地域に一人でもいれば、どれほど状況が変わるだろうと気づいたのです。その瞬間、私はそんな歯科医の一人になりたいと強く思いました。

自身のクリニックを開業後、患者一人ひとりのニーズに合わせた治療を提供し始めました。開業6年目に訪問歯科を開始した際、市役所で介護保険制度について尋ねると、職員から「歯科医でこの制度について問い合わせたのはあなたが初めてです」と言われました。それでも職員の方々は親切に全てを説明してくださいました。この経験から、たとえ前例がなくとも、誠意を持って一歩を踏み出せば、必ず助けてくれる人がいると改めて気づかされました。熱意ある数名のスタッフと共に試行錯誤を重ね、訪問診療の準備と立ち上げを進めました。
事業は徐々に拡大しました。やがて地域の施設からも依頼が入り、現在では月間約600名の患者様に在宅歯科ケアを提供しています。

ある精神科病院訪問時、就労支援プログラム参加者の食品・工芸品製作ワークショップが、コロナ禍で販売先を失ったことを知りました。当院の駐車場を販売場所として提供したところ、この小さな提案が発展し、今では年3回、地域の公園で開催される福祉マーケットに成長しました。40以上の団体が参加する規模になりました。

こうした地域貢献活動が評価され、当院は2023年に「埼玉社会貢献賞」を受賞しました。この賞は優れたCSR活動と地域への影響力を持つ組織を表彰するものです。大企業や百貨店、プロスポーツチームと共に認められたことは非常に意義深く、地域密着型医療とアウトリーチ活動が確実に成果を上げていることを実感させると同時に、活動を継続する決意を新たにしました。

未来のために

訪問歯科診療は、従来の診療所でのケアとは全く異なるレベルの配慮を必要とします。患者様は外部の人間を自宅に招くことに不安を感じることもあるため、私たちはその空間を尊重するよう細心の注意を払っています。しかし、そうした緊張感にもかかわらず、患者様からは常に私たちの訪問に対する心からの感謝の言葉を頂戴します。

知的障害のある方々を治療する際、私はしばしば自身の誠実さが試されていると感じます。私が心を開いて接すれば、彼らも心を開いて応えてくれるのです。そうでない場合―私の意図が本物でない場合―彼らは即座にそれを感じ取り、引きこもります。彼らの正直さは、真のケアは偽装できないこと、心から湧き出るものでなければならないことを私に教えてくれました。

だからこそ私は常に患者と直接向き合い、家族だけでなく本人にも話しかけます。寝たきりの患者の中には、目だけ動かせる人もいれば、目を開けられなくても手をわずかに動かせる人もいます。どんな状態であっても、まず本人に向かって話すようにしています。敬意とコミュニケーションは、必ず患者から始まるのです。

人は年を重ねるにつれ五感が次第に失われていきます。しかし最後に残るのは心の感覚だと私は信じています。だからこそ診察を終える時、私は必ず患者の手を握り「またすぐにお会いしましょう。どうかお大事に」と伝えます。家族だけでなく患者の精神をも慈しむことこそが、尊厳を守ることなのです。
こうした日々の経験を通して、適切な歯科医療を受けられない人々のことを考えることがよくあります。そうした現実と向き合うほど、自分にできることはまだまだ多いと痛感します。

日本全国に同じ課題に直面する人々が数多く存在し、私たちのビジョンを共有し、この使命を今後も引き継いでくれる人々が必ずいると信じています。しかし、訪問歯科医療の必要性は日本だけに限ったことではありません。多くの国が高齢化社会に突入し、間もなく同様の問題に直面するでしょう。日本で得た知識と経験を活かし、海外でこの医療の先駆けとなる役割を担うことが、私の責任だと強く感じています。

TIMEサイト(https://time-ceohorizon.com/okuhara_toshiki/